妙に甘えたり攻撃的になったりするのはなぜ?何とかしたいのに、適切な対応のしかたが分からない

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子どもが心配事を抱えている時には、何かしらの変化があるので、それを見落とさないようにすることが大事です。その1つに、こんな事例がありました。

今までは自分のことは自分でしっかりできていた子どもなのに、最近は妙に甘えたり攻撃的になったりします。何とか力になってあげたいと思うのですが、適切な対応のしかたが分からず、毎日親が子どもに振り回されています。

日増しに状態が酷くなってくるので、さすがにどうしたものかと相談に来られました。

学校では、しっかり者の定評どおり、良い子すぎる!

幼稚園からのしっかり者で、小学校に上がっても人前では、大人顔負けのとてもよく気の付くお子さんです。いつも笑顔で、困っている友だちをそっと助けてあげることのできる優しい子です。

「泣くことがない」「おとなしくて何も言わない」「不平不満を出さない」子なので、順調だと誰もが思っていました。

ところが、ある日を境に、家に帰って来たら、今まで見たこともないようなベッタリの甘え方をしたり、親が反応しないと、今度は攻撃的な物言いになってきたりと、感情の起伏が大きくなっているように感じるとのこと。家でこれなら、きっと学校でも担任の先生がこの子の最近の様子で変わったことに気付いておられるかもしれないと、この親御さんはお考えになり、学校へ相談に…。

しかし、担任の先生のお話では、今までどおり、何も変わった様子は見せず、何も問題はない。お母さんの気のし過ぎではないか?子どもだから甘えることもあるのでは?と。

お母さんとしては、家での様子と学校での様子に大きなギャップを感じられ、「気のし過ぎ」では済まされないと思われたのでした。

敏感すぎる気質の持ち主

30人学級で、だいたい5,6人くらい敏感な気質の持ち主が存在すると言われています。誰からも「とても良い子」と言われるような子は、自分の感情を表に出さず、閉じ込めているので、体と心のバランスを壊してしまいがちです。周囲の大人が言っていることがよく分かり、周囲の期待に応えようとするところがあるので、がんばり過ぎて、体調不良になったり、不登校になったりすることもあるのです。

このお子さんの場合も、敏感気質の持ち主で、外では、決して自分を語らず、泣いたり、不満をこぼしたりすることもなかったのです。

繊細で気遣いができて、他者への共感力が高い分だけ、他より優れているのですが、逆に、些細なことを気にし過ぎて感情が昂ぶり、ストレスを抱えることもあるのがHSCと言われる子どもたちです。

学校では、「言えない」「泣けない」「不満を出せない」ので、家に帰ってからお母さんに、そのストレスをぶつけているのです。

学校で、友だちからからかわれたとします。

「○○ちゃんって、××だよねー」

「・・・・・・」

「(それが言い返せない)自分は××だ」

「(それが言い返せない)お母さんは××だ」

 

「××だ」と友だちに言われて、「そんなことないよ、私は××なんかじゃないもん!」と声に出して言えればいいのですが、それは言えません。

だから、心の中で、

「・・・・・・・(そんなことないよ、私は××なんかじゃないもん!)」で終わってしまっています。

「(言い返せなかった)自分は××だ」と自分自身を責め続けます。

そして家に帰ってから、受け止めてくれる優しいお母さんに対して、

「(言い返せなかった)お母さんは××だ」

と、本当は自分自身が××なのに、お母さんを責めてしまうという構図になっています。

 

お母さんは、自分にとっては優しくて何でも受け入れてくれる存在です。お母さんは自分と同様に、言い返すことのない相手であるので、自分が学校でされたことを、家でお母さん相手にやってしまうのです。

外でおとなしい分だけ、暴言を吐いたり癇癪を起こしたりして、ストレスをお母さん相手に発散させている状態です。

もし、家に帰ってもストレス発散の場がなかったら?

きっと、学校でも家でも何も「言えない」「泣けない」「不満を出せない」ので、自分の中でますますストレスは大きくなり、心のバランスを壊してしまうことになるでしょう。

自分を責めるのを止めて、その場で自分の思いを出す練習をする

「○○ちゃんって、××だよねー」

「・・・・・・」

→→「そんなことないよ、私は××なんかじゃないもん!」

その場で言い返すことができるようになれば、自分を責めることはないし、お母さんに八つ当たりすることもありません。

繊細で敏感なお子さんは、自分よりも相手のことを思ってしまう傾向が強く、自分が悪いわけではないのに、

「私が△△だから、『○○ちゃんって、××だよねー』」と言われるんだ。△△な私が悪いんだ」

と、やさしさゆえに、相手を責めることができず、結局自分の方が悪いのだと考えるようになります。自分で自分のことを責めるので、自尊感情は低く、自己主張もうまくできません。

生まれながらにして、そういった気質を持ちながら窮屈に生活しているのだということを、周りの大人が気付き、本人が傷つかないように配慮してあげることが大事だと思います。

自己主張がきちんできるということは、素晴らしいことです。ずっと自己主張をしないまま大人に成長していくと、いざという時に、やはり自己主張はできません。

相手を罵倒するのはいけませんが、相手を傷つけない言い方で、自己主張するという練習は必要です。コミュニケーションスキルはしっかりと身に付けて、自己肯定感を磨き、自分に自信が持てるように、周りから働きかけてあげる必要があると思います。


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