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HSC(Highly Sensitive Child)とは、生まれつき繊細さや感性の鋭さ、慎重さを持つ「とても敏感で感受性が高い」子どものことです。さらに、HSP(Highly Sensitive Person)は「とても敏感で感受性が高い」大人のことをいいます。いずれも、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念です。
HSCは、心理学的な概念であり、障害や病気の名前ではありません。気質を表すものであるため、医療関係者の間に広まっていないこともあり、日本ではあまり知られていません。
アーロン博士の「The highly sensitive child」という本が日本語に翻訳され、「ひといちばい敏感な子」(明橋大二訳/1万年堂出版)として出版されたのが2015年ですから、HSCは、まだ一般的に知られているわけではありません。
アーロン博士の調査や研究から、子ども全体の15~20%がHSCに当てはまることが分ってきました。これは、30人学級で、クラスに5~6人は敏感で感受性が高い子どもたちが、在籍しているということになります。
HSCの子どもたちの中には、敏感さや感受性の高さだけでなく、強い好奇心を持つタイプの子どもも存在し、HSCであることが分かりにくいお子さんもおられます。その強い好奇心を持つ気質をHSS(High Sensation Seeking=刺激追求型)、HNS(High Novelty Seeking=新奇追求型)といいます。
このタイプのお子さんは、新しい刺激を求めて活発に活動する傾向や自分の思いを通そうとする傾向を強く併せ持つ特性から、HSCの持つ敏感さや感受性の高さが見えにくくなる傾向があります。
そのため、敏感さや感受性の高さに気づかれにくく、大人には、「少し扱いにくい子ども」という印象を与えることがあります。「言うことを聞かない子ども」「怒りっぽい子ども」だと映る場面も持ち合わせています。
HSCの子どもたちと接する時に注意したいことは、大きく3つあります。それは、
①HSCという概念を正しい知識として持ち、肯定的に受け止める。
②周りの大人同士で、正しく情報を共有する。
③親の育て方がいけないと非難しない。(←養育の問題ではないから)
学級には、十人十色、さまざまなタイプのお子さんがおられます。元気でやんちゃな子、集中力に欠け、失敗をするけどすぐに立ち直れる子、怒りっぽい子、黙々と集中する子、大人ぶった子、泣き虫で甘えん坊…。
学級の中では、問題が顕在化した時にはすぐに対応してもらえるのですが、HSCのお子さんの困り感はなかなか察知してもらうことができません。
どのお子さんにも学校での悩み事が一つや二つはあるものです。幼少期や小学校低学年時期では、まだ十分に言葉を扱うことができず、自分の困っていることを上手に相手に伝えることができません。
嫌な気持ちを言葉で言い表せないと、腹痛や頭痛、吐き気、学校のことを思うと体が固まるなど身体的な症状として伝えてきます。
HSCのお子さんなら、なおさらです。
「学校に行きたくないと伝えたら、お母さん、心配するだろうな」とか「辛いけど、学校は行かないといけないよな」と無理をしたり、「行きたくないなんて言えないよ」などと、学校へ行きたくないと伝えるのは、ものすごく勇気の必要なことです。
HSCのお子さんが発するサインやシグナルを見落とさないようにして、しっかりと守ってあげることが大事だと思います。
そして、「辛い」と伝えてきた時には、何を優先するのか…それはお子さんの気持ちです。100%HSCのお子さんの味方、さらに心の安心基地になってあげてほしいと思います。