親と子のほどよい関係づくり~ギャングエイジ後~

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小学校の一年生に上がるからそろそろ「べったり関係」から次のステップに行きたい、下の子どもができたから、自分のことはもう一人でやってもらわないと…そう考え、親と子どものほどよい距離感について考えておられる親御さんもおられるかもしれませんね。

今回は、親と子のほどよい関係づくりについて考えてみたいと思います。

親と子どもは別のパーソナリティ

小さい頃は、目に入れても痛くない程にかわいいものです。しかし、お子さんの成長と共に自我が発達し、時に言うことを聞かない、注意をしても反抗するというような場面が見られるようになります。ここは、腹を立てずに、しっかりと成長している証しだなと捉えてほしいと思います。

なかには、「子どもは私の体の一部」とばかりに、まるでお子さんを自分の所有物のように考えておられる方もいます。

子どもは、一人のパーソナリティです。自立を目指し、成長のプロセス真っただ中にいる一人の人間です。あれこれ親がいろいろなことに口出しするのは止めにして、子どもとはほどよい距離感で、そっと寄り添う子育てをしてほしいと思っています。

心配しないで!お母さん

ギャングエイジになると、親も大好きですが、親よりも子ども同士でいることの方が楽しくなってきます。親御さんは、急に心配になり、どこの誰とお友だちなのか、どこで何をして遊ぶのかとても気になります。

根掘り葉掘り聞かれると、子どもの気持ちとしては、そっとしておいてほしい気分かもしれませんよ。幼児期のように、友だち関係を心配されすぎるのは、子どもにとってはしんどいかもしれません。

子どもを信用して、任せてみるのもよい時期なのかもしれませんね。

気の合う友だちを見つけ、一緒に遊び、付き合い方を学んでいきます。いろいろ試してやってみて、うまくいったり、うまくいかなかったり…。これも一つの勉強なのですね。

ただ、子どもが自信をなくして、親を頼り相談しにきた時には、しっかりと寄り添って、話を聴いてあげることがとても大事になってきます。普段は、見守りだけで十分だと思います。

自己決定の経験をたくさんさせる

時に、過保護すぎる親御さんの話を聴きます。

お子さんが心配でたまらず、手取り足取り構ってしまい、本人に任せたことがない、だから自分のことが自分で決められないという話です。

どう対応したらいいでしょうか?

「子どものため」ということで、安全な道を準備してあげれば、ケガをすることはまずないでしょう。だけど、子どもにとっては、試行錯誤、いっぱいやってみて、失敗して、うまくいかなくて悩んで自分なりの解決法を見つけ出すという経験はできません。子ども自身が、自分で考えて、自分で決めて、自分で責任をとるということを学ぶ機会を逸してしまいます。

「親の言うとおりにすれば、まちがいない!」

確かにそうかもしれませんが、「自立した大人」になるためには、自己決定の経験をたくさんさせることが大事なのではないでしょうか。

友だち関係の中で、自分と他者の考えを比較しながら、自分のことを見つめたり、自分で決めたりしていく経験を積んでいます。親の決めつけや批判で、そのチャンスがダメにならないように、適切な距離で見守りたいものですね。

ギャングエイジの心は最も変化していく時期

ギャングエイジと呼ばれる時期は、だいたい小学校中学年の頃です。体の成長と共に、心もぐ―んと発達する時期です。

この時期は、友だちとのかかわり方での悩みが増えてきます。そして、親とのかかわり方にも少しずつ変化が見られるようになります。

何かと口答えをしたり、話しかけてもだんまりを通したり…。どう扱っていいのか、どう声をかければいいのかと大人の方が悩みます。でも、悩むことはないんです。反抗的に見える態度は、実は、心が成長している証拠なのです。これから大人になっていく過程にある子どもたちは、自分の価値観について考え始めます。

幼児の頃の価値観は、大人と一致していました。親と自分、そして友だちという人間関係の中にありました。

でも、ギャングエイジ以降は、親との距離が少し遠くなり、自分、そして一人の人間としての親、自分を取り巻く他者(友だち、先輩)といった関係性に変わっていきます。親の価値観を疑うような場面が出てくるのも、自己の価値観を確立していくためのプロセスの一部です。

友だちとの遊びが毎日楽しくて仕方がない時期、しかし、悩みが多いのもこの時期の特徴です。親の目から見れば、「小さなこと」かもしれませんが、当事者にとっては一大事。心はいつも友だちのことでいっぱいなのです。

喜怒哀楽も大きく、態度に出てしまう時期なので、もし、悩んでため息をついたり、ふさぎ込んだりしているような様子が見られたら、声をかけて、そっと寄り添い、悩みを聴いてあげるのがいいですね。


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