自閉症スペクトラムの子どもたちの対人関係不安を解消して、自己肯定感を高めるかかわり方

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自閉症スペクトラムの人たちの特性について、別の記事でご紹介したとおり、3つの苦手な領域があります。それは、

○人とのかかわり方がうまくいかない

○コミュニケーションがとりにくい

○想像力や創造力がとぼしい

ということでした。

周囲の友だちとうまく付き合いたい、親友がほしい、自分のことをわかってほしいという思いから、何とかしたいという願いをもっています。

しかし、周囲の友だちとはぎくしゃくした関係になりがちで、集団の中になかなか溶け込めず、自分の居場所を見い出すのが困難な場合があります。

こんな時、周囲の仲間と、どのようにかかわっていけばよいのでしょうか。今回は自閉症スペクトラムの中でも、特にアスペルガーの人たちがどのような思いを抱いているのかについて考えていきたいと思います。

自分への気づき

思春期には、自分の内面に注意が向けられるようになり、自分と他者を比べて見ることが多くなってきます。学校や家に居場所を求めても、何となく違和感をもってしまう時があります。その原因は、次のようなものかもしれません。

○まわりの空気が読めず、友だちができない

○好きな人がいるが、うまく接することができない

○いつも孤立しているように思う

○他者と自分は、違うところがあるように感じる

○家族ともなんとなくうまくいかない

○学校の授業にもついていけない

○自分らしさがわからない

○将来がとても不安だ

 

このような「否定的な捉え」によって、自分のことを「ダメだ!」と強く感じるようになります。

仮に、周囲から話しかけられても、輪に入っていくことができない。誘われても一緒に参加することにためらいがある。

自分自身に自信をなくして、ますます自己否定感が強まっていきます。時に、自分を傷つけてしまうことさえ起こるのです。

思春期は、心身ともに大きな成長を迎える時期でもあります。第二次性徴を理解できず、変わっていくことが受け入れられなかったり、また一歩少し大人に近づいたことから、親や周囲の人たちの自分への接し方にも変化が起き、それに混乱したりする場合もあります。

心理的な問題を抱え、一時的に精神病のような状態にまで発展するケースもあるので、本人任せにせず、見守ってあげることもとても重要です。

症状は、一過性なので慌てないでください。自分を否定するあまり、強い落ち込み、ひきこもり、あるいは自傷行為に及ぶこともあるということを知っておいてほしいと思います。精神症状が継続・悪化する場合は専門医に相談することをお勧めします。

辛さをやり過ごすために

人にはそれぞれの個性があります。人と考えがちがう、人と感じ方がちがうということが嫌でたまらない、みんなと同じように行動したいのに、それがうまくできなくて悩んでしまうのですね。「気にするな!」と言われても、それは無理。気になってしまう。人とのちがいは当然あります。誰にでも長所・短所があるように、個別の差はあるのです。

ただその差を「ダメなこと」「劣っていること」と考えるから悩むのですね。その差は、個性です。自分の性質です。自分ではまだ気づいていないかもしれないけれど、優れたところがいっぱいあるはずなんです。自分の得意なところを大きく見ていくと、苦手意識は小さくなっていきます。

辛くなったら、どうしたらよいのでしょうか?

辛い思いを抱えたままだと、それがストレスとなり、辛さは膨らむいっぽうです。辛くなったら、ほっとできる場を日頃から作っておくとよいと思います。

例えば、自分だけの世界へ、一時的に逃げ込むのはよいと思います。

○好きな景色、好きな匂い、好きな音楽などをイメージする

○自分だけの好きなアニメ、ファンタジーの世界に浸る

○自分の部屋を好きなもので満たす

○お気に入りのものに触れる

毎日、自分なりの方法で、ストレスを手放すようにします。

周りの人は、どのように見守ればいいのでしょうか?

本人の抱える辛さをしっかりわかってあげることが大事だと思います。そして、本人ががんばっていることを褒めてあげることも大切です。

つい、言ってしまうのが「がんばれ!」という声かけですが、この「がんばれ!」は言わない方がいいです。ずっとずっとこれまで、がんばってきているのですから!これ以上、何をどうがんばれというのでしょうか!それから、我慢を強いないことに注意して、見守ってあげてほしいと思います。

人間関係の再構築

アスペルガーの人たちは、本当に自分のことをわかってくれる人とかかわりたいと、心から願っています。しかし、それがうまくいかなくて、「もう、付き合いたくない」と思ったり、逆に反発的な行動に出てしまったりすることがあるのです。だけど、「他の人と同じようにしたい」と常に思っていることを理解してほしいと思います。

「周りに合わせる」ということが苦手なので、周りの人全員と仲良くする必要はなく、本当にわかってくれる人が、まずひとりできればいいと思います。自分と同じ趣味の人、自分と同じ考えをもっている人、というふうに少しずつ増やしていけばよいと思います。

自分の好きなことや得意なことをしっかりやりましょう。そして、得意なことをもっと伸ばしていくようにすると、自信がついてきます。その自信が、きっと将来への不安を減らしてくれるはずです。


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