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もうすぐ学校は新学期が始まり、入学式を迎えます。ピカピカのランドセルに新品の服にシューズ、いろいろな道具を準備して、学校が始まるのを楽しみに待っておられる家庭も多いことでしょう。
幼稚園や保育園を卒園し、お兄さんやお姉さんだった立場から急に小学校では一番下の学年になります。環境が変わり、生活時間の流れも大きく変わる。教室には知らないお友だちがたくさんいて、緊張の日々が始まります。
少しずつ生活に慣れていくために学ぶスピードはゆっくりではありますが、毎日新しいことを習い、新しい生活習慣に慣れていかなければなりません。午前中でお帰りだったパターンから、給食を食べてからお帰りのスタイルになり、2週間もすれば大体のペースが出来上がります。
やや緊張がとれてきたその頃から、お母さんに手を引かれながら校門まで来るのだけど、足が止まってしまって泣きながらお母さんの洋服の裾を握って離さないお子さんの姿を見かけるようになります。
お母さんに手を振って、元気に「行ってきます!」が言えたらいいのですが、そこがなかなか難しく、とっくに始業時間が始まって朝の健康観察をしている時間に突入。お母さんは焦ります。
そして、どうしてもお母さんと離れたくないお子さんと、なんとしてもなだめて学校へ行かせたいお母さんとの攻防戦が始まります。
私はこの親子がとても気の毒になり、「保健室に寄ってからお帰りになりませんか」と声をおかけしました。
そのお子さんは、お母さんと離れることに強い不安を抱いているように見えました。
「お母さん、帰っちゃダメ!」
「学校、行きたくないの」
「お母さんと一緒にいるから」
「ダメなの、お母さんと一緒じゃないと」
「イヤだ、イヤだ、行かないから!」
泣きじゃくりながら、お母さんにしがみ付いて離れようとしません。
お母さんも、困り果てて結局、お子さんの手を引きながら、保健室までおいでになりました。家ではしっかり者のお姉ちゃんなんだそうです。弟さんの面倒見もよくて感心なお子さんなのだそうです。どうしてこうも離れられないのか理由が見つからないという様子でした。
実は、こういった母子分離不安がきっかけで、不登校になるというケースもあります。
不登校にならないようにするためにとる手段はいくつかあります。
まず登校時には付き添っていただき、授業中は、教室に入らず廊下で待機していただくようにします。教室にはいないけど、廊下にお母さんがいるんだということが分かるだけでも、安心できるものです。教室まで行くのが難しい場合は、一時的に保健室でお母さんと過ごしてもらうようにし、徐々に慣れてきたら、少しの時間教室で過ごしてみるように促します。少しずつ今までとは違う環境に慣れるようにしていきます。
家では、学校でのがんばりをしっかりと褒めてあげるようにします。ベタベタとくっついて甘えてくるようでしたら、しっかりと甘えさせてください。ここでの甘えは必要なものです。しっかりと受け止めてお子さんに安心感を持たせるようにしましょう。
もしかしたら、今まで独占できていたお母さんが、生まれてきた弟さんのお世話で忙しくしていて、ちょっぴり寂しさを感じていたのかもしれません。「お姉ちゃんになったんだから…」と何でも自分でしなくちゃいけなくなって、お母さんにもっと構ってほしいと感じていたのかもしれません。
いわゆる退行現象というものですが、赤ちゃん返りをして、お母さんの目をこちらに向かせたいということかもしれません。しっかり甘えを認めてあげて、スキンシップをとることが大事です。
いちばん重要なことは、お子さんの気持ちの安定を図ることです。お母さんは、お子さんにとっての「心の基地」です。最も安心できる場になるようにしてあげてください。
お子さんの気持ちが安定してくると、元気を取り戻して、不安はあるけど、がんばろうという気持ちが湧いてくるものです。
そうなれば、お子さんから離れている時間を徐々に増やしていきます。クラスのお子さんと過ごす時間が少しずつ増えてくれば、お母さんの姿が見えなくてもだいじょうぶになってきます。
母子分離不安がなかなか収まらず、お母さんから離れられない場合は、別の要因が潜んでいることがあります。対人関係の問題を抱えているケースもありますので、一人で悩まず、すぐにご相談されることをおススメいたします。